鳥居にかけられた「茅(ち)の輪」を家族連れが次々とくぐりぬける。田んぼに囲まれた福岡県朝倉市の美奈宜(みなぎ)神社。7月30日に催された夏越(なごし)祭は、たくさんの人の笑顔があふれていた。
「主税(ちから)さんが『ああ、どうもどうもー』って、そのへんからニコニコ入って来そう」
前宮司の内藤主税さんの妻・寿恵さん(72)が笑った。「主税ちゃんは盛り上げ上手でね」「何でも受け入れてくれた」。氏子たちも語った。
「まだ亡くなった感じがせんのよね」
昨年の夏越祭はみんな記憶があいまいだ。主税さんが直前に突然、亡くなったから。
主税さんと寿恵さんは同志社…