力投する札幌日大の先発窪田=2025年7月20日午後1時25分、エスコンフィールド北海道、太田悠斗撮影

(20日、第107回全国高校野球選手権南北海道大会決勝 北海7―0札幌日大)

 札幌日大の窪田洋祐投手(3年)は三回裏1死、初めて3球連続でボール球を放った。「びびっててもしょうがない」。練習してきた内角直球で空振り三振にしとめた。

 甲子園に、やり残したことがある。

 昨夏の甲子園は4番センターで出場。安打はなかったが、南大会打率6割越えの打撃が注目された。しかし、入部時は投手志望だった。由仁町出身で札幌ドームでプロ野球日本ハムの試合を見て育った。試合を左右する投手に憧れた。高校卒業後は投手としてプロ志望で、甲子園のマウンドは絶対の目標だった。

 最速148キロと球速はあるが課題は制球。冬からフォーム改善に取り組んだ。上半身を反らすような投げ方をやめ、下半身を安定させることを意識。最後の夏を前にフォームが崩れることが心配だったが、良いところは残しながら制球は上がったという。

 この日、窪田投手は6安打を浴び五回途中降板。「甲子園に連れて行きたかった」と悔やんだが、土田大海捕手(3年)は成長を感じた。「前はストライクが入らなかった。今日は内角に投げきってくれた」

 甲子園のマウンドには立てなかったが、エスコンのプロ野球のマウンドで大観衆の前で投げた。「2年半やってきた中で最高の時間だった。絶対プロでやりたい」

共有
Exit mobile version