パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで2024年4月8日、イスラエル軍の撤退を受けて戻ってきたパレスチナ人の家族=ロイター
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 約150万人の避難民が身を寄せるパレスチナ自治区ガザ南部ラファへの地上侵攻について、イスラエルのネタニヤフ首相は8日の声明で、「これは起きる。期日がある」と述べ、実行する構えを改めて強調した。ただ、期日がいつなのかは明言しなかった。

 ラファ侵攻には人道危機の拡大を懸念する声が各国から相次いでいる。ネタニヤフ氏は声明で、「我々は何よりもまず人質全員の解放と、ハマスに対する完全勝利という目的を達成するために絶えず努力している」と主張。「この勝利のためにはラファに入り、テロリストの大隊を排除する必要がある」と述べた。

 一方、AFP通信によると、イスラエルの後ろ盾である米国のミラー国務省報道官は8日、「我々はラファへの全面侵攻が市民に多大な悪影響を及ぼし、究極的にはイスラエルの安全保障を損なうことになると明確にしてきた」と述べ、侵攻への懸念を重ねて表明した。

南部撤退後も各地で空爆

 ガザではイスラエル軍が地上部隊の大半を南部から撤退させる一方、各地で空爆を続けている。自治政府系のパレスチナ通信によると、9日朝にはラファの東側の地区を含めた複数地点で空爆や砲撃があり、数人が死亡した。また、イスラエル軍が撤退した南部ハンユニスでは、少なくとも84人分の遺体や遺骨が新たに見つかったという。

 南部ではイスラエル軍の撤退…

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