車いすでランウェーを進むモデルの姿もあった=2025年6月24日、大阪市此花区の夢洲、高室杏子撮影

 「未来のおむつ」と聞いてどんな想像をしますか?

 閉幕まで残り1カ月となる関西・大阪万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマに掲げられ、世界各国や企業、団体がそれぞれの描く未来社会を伝えようとしてきました。そんな一つが、6月に催された「おむつ」の未来の姿を提案するファッションショー。企画した平林景さんは日本福祉医療ファッション協会で代表理事を務め、障害の有無や性別、年齢にしばられないファッションを提案してきました。万博でショーを開いた意義とは。

日本福祉医療ファッション協会代表理事・平林景さんインタビュー

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 ――ハーフパンツやショートパンツ、はかまやスカートのような形……。おむつだと言われないとわからないデザインの数々をモデルたちがはき、ランウェーで披露しました。そのモデルたちの体形もさまざまで、車いすや義足を使うモデルも。なぜおむつに焦点をあてたのでしょうか?

 2022年にパリで「車いすだから映える」服のファッションショーを開きました。そのときに車いす利用者から「おむつのデザインもやってほしい」と頼まれたり、旅行が好きな車いすの女性から「おむつ姿を見られたくないから友達とは旅行に行けない」と聞いたり、おむつを巡る切実な声があることを知りました。

 おむつの選択肢、白くて膨らんだ紙のものしかない現状についてなにかをしたい――。そう思ったのがはじまりでした。

 万博協会の公募に企画を持ち込んだところ、採用され、ショーでは31人のモデルたちによる31着の提案をしました。

 インナーや下着としてのおむつという概念を覆したい。

 吸水性や速乾性に優れた日本の技術はもともと、世界的に評価されている。そうした機能や動きやすさを維持しつつ、アウター、つまり、そのまま服装の外側として人に見せるもの。「障害の有無に関わらず、だれでもはきたくなる」を追求しました。

「未来のおむつ」を身につけ、ランウェーを歩くモデル=2025年6月24日、大阪市此花区の夢洲、高室杏子撮影

 ひざまである丈、裾に広がり…

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