小学5、6年生を対象に福島県の田村市教育委員会が設けた「たむらチャレンジ塾」の3年目の授業が10日始まった。全国の難関大学に毎年10人合格させる「東大10人構想」の一環だ。
教室は田村市役所1階の多目的ホール。開始前には軽快な音楽が流れ、休憩時間に食べられるようスナック菓子も並べられている。市教委主催とは思えない自由な雰囲気だ。
この日は19人が集まった。「お母さんに行けと言われた」という子が2人いたが、ほかは「好きな算数の力をもっと伸ばしたい」「苦手なので克服したい」と自ら参加を決めていた。
あいさつ代わりに学校教育課の佐久間誠課長が出した問題は「『日』に棒を1本加えて、別の漢字をたくさん書きなさい」だった。制限時間は1分だ。
記者も一緒にやってみた。田・白・甲・由・旧の五つを思い出し、「これで勝ったな」。甘かった。子どもたちはさらに申・目・旦を加えた八つを書き出していた。
最初の授業は算数。その1問目は「7を100回掛けたら、その積の一の位の数字は何か」という問題だった。
7×7=49、7×7×7=343……と繰り返していけばできるが、時間がかかって仕方がない。数分すると何人かが「分かった」と手を挙げ始めた。
中学校で数学を教えていた深…