Smiley face

 大阪商工会議所は18日、英国のマンチェスター市を中心にした都市圏「グレーター・マンチェスター」の産業支援機関と、企業や大学の交流や協力を広げようと連携協定を結んだ。大阪は100年ほど前、綿紡績が盛んだったころ、先行した英国の工業都市の名前をひいて「東洋のマンチェスター」と呼ばれた。だが、両者をつなぐ縁はそれよりも前にあった。

写真・図版
署名した連携協定書を見せる大阪商工会議所の鳥井信吾会頭(左)と、英グレーター・マンチェスターの産業支援機関MIDASのベブ・クレイグ理事=2025年6月18日午前11時47分、大阪市中央区、諏訪和仁撮影

 大商の鳥井信吾会頭(サントリーホールディングス副会長)は大阪市内であった協定の署名式で「大商の創立者である五代友厚は、1865年にマンチェスターに行き、紡績機械を購入するなど、日本の経済発展の基礎を築いた。その後、大阪は東洋のマンチェスターと呼ばれ、我々は深い歴史的なつながりがあります」とあいさつした。

 五代は江戸時代の末期、薩摩藩から英国へ留学生として派遣され、紡績機械や武器を買って帰った。その後、実業界に入り、銀行や取引所、学校などを設立し、78年には大商の前身の大阪商法会議所をつくり、初代会頭になった。

写真・図版
大阪商工会議所にある五代友厚像=2024年2月18日、大阪市中央区、諏訪和仁撮影

 グレーター・マンチェスターの産業支援機関「MIDAS(Manchester Investment and Development Agency Service)」のベブ・クレイグ理事は「大阪とは過去を共有するだけでなく、私たちと同じような自信やエネルギーを感じます。デジタルやライフサイエンス、脱炭素などの技術分野で協力することで、次の段階に進むことができるのです」と話した。

 開催中の大阪・関西万博に足…

共有