お岩さんの幽霊で知られる歌舞伎の「東海道四谷怪談」が今夏、初演から200年を迎えた。舞台で何度も上演され、あまたの映画や小説の題材ともなった作品の魅力はどこにあるのか。京都で開かれた二つのイベントから、考えた。

「通称 お岩さま」の看板が目を引く於岩稲荷田宮神社=東京都新宿区左門町

 「東海道四谷怪談」は1825(文政8)年、江戸の中村座で初演された。作者・四世鶴屋南北(1755~1829)の晩年の集大成として、現在まで高い人気を誇る。

日常のささいな履き違えにリアリティ

 「お岩さん知ってますかと聞くと、夫から毒を飲まされる人でしょう、とおっしゃる方がいるんです」

 京都芸術劇場春秋座で6月14日にあったイベント「四谷怪談を語る!」で、木ノ下裕一はこう語った。

記事後半では、日本舞踊家の藤間勘十郎さん、作家の荒俣宏さんや怪談研究者の堤邦彦さんのお話も。

 主宰する「木ノ下歌舞伎」で…

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