インド西部ムンバイの商業施設で2025年5月12日、モディ首相の国民向け演説の中継を見る男性=AP

 パキスタンとの軍事衝突が続いたインドのモディ首相は12日、国民向けに演説し、「核によるブラックメール(脅迫)は、今後一切容認しない」と述べ、核の使用をちらつかせたパキスタンや同国を拠点にするテロ組織を非難した。

 パキスタン国営テレビは10日、シャリフ首相が核兵器の運用も担う政府と軍の意思決定機関「国家司令本部(NCA)」を招集したと報道。結局、招集はされなかったが、インド側の更なる攻撃を防ぐ狙いがあったとみられている。

 両国は、インドが実効支配するカシミール地方で、4月に観光客ら26人が殺害されたテロ事件の関与を巡って対立。パキスタンを拠点にする過激派組織が犯行を主張した後、インド軍は「パキスタンがテロに関与した」と主張し、5月7日にパキスタン領内の攻撃に踏み切った。

 モディ氏は演説で、「インドに対するテロ攻撃には相応の報復が加えられることになる」と強調。「今は戦争の時代ではないが、テロの時代でもない」と訴え、今後もテロ攻撃には同様の措置を取る方針を示した。

 モディ氏は、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領と2022年9月に会談した際に、「今は戦争の時代ではない」と訴えていた。

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