核兵器の非人道性を語り継ぎ、核廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に10日、ノーベル平和賞が贈られる。
その授賞は、ロシアが「核の脅し」を続けていることに対するメッセージでもある。だが、侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領もここ数カ月、核兵器の「力」を認識する発言をくり返すなど、現実では核が安全保障環境に大きな影響を与えている。
「核兵器を保有し、それを防衛力とするか、あるいは、なんらかの同盟を結ぶ必要がある」
10月17日、ゼレンスキー氏はブリュッセルでの会見で、9月にトランプ次期米大統領と会った際の自身の発言に言及した。「同盟」とは、ウクライナが加入を切望するNATO(北大西洋条約機構)のことだ。
ゼレンスキー氏は会見で「我々は核兵器ではなく、NATOを選ぶ」と言葉を続けていた。だが、一部で「NATOに入れなければ核兵器を持つ」と語ったかのように伝えられ、物議をかもした。
ウクライナにはもともと、核…