キーウで2024年12月2日、会談したウクライナのゼレンスキー大統領(右)とドイツのショルツ首相=ロイター

 核兵器の非人道性を語り継ぎ、核廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に10日、ノーベル平和賞が贈られる。

 その授賞は、ロシアが「核の脅し」を続けていることに対するメッセージでもある。だが、侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領もここ数カ月、核兵器の「力」を認識する発言をくり返すなど、現実では核が安全保障環境に大きな影響を与えている。

 「核兵器を保有し、それを防衛力とするか、あるいは、なんらかの同盟を結ぶ必要がある」

 10月17日、ゼレンスキー氏はブリュッセルでの会見で、9月にトランプ次期米大統領と会った際の自身の発言に言及した。「同盟」とは、ウクライナが加入を切望するNATO(北大西洋条約機構)のことだ。

 ゼレンスキー氏は会見で「我々は核兵器ではなく、NATOを選ぶ」と言葉を続けていた。だが、一部で「NATOに入れなければ核兵器を持つ」と語ったかのように伝えられ、物議をかもした。

 ウクライナにはもともと、核…

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