米国による原爆投下から79年となる9日の長崎市での平和祈念式典は、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルを同市が招かなかったことから、米英などの大使が欠席。国際社会の分断が影を落とした。
出席した岸田文雄首相はあいさつで「核兵器のない世界」を目指すと語った。首相になって3年近く、広島や長崎でこの言葉を繰り返してきたが、その実現は遠のく一方だ。
厳しさを増す国際情勢が核軍縮への連帯を難しくしているが、理由はそれだけではない。とりわけ日米関係において、岸田氏自身が「核兵器のない世界」とは逆方向へ向かう判断を重ねているように見える。
首相になる前年の2020年…