平和祈念式典であいさつする石破茂首相=2025年8月9日、長崎市松山町、上田潤撮影

 石破茂首相の退陣表明を受け、首相が8月9日の平和祈念式典に出席した長崎県内の被爆者からは落胆の声や、次期政権への注文が相次いだ。

 石破氏は式典後、被爆者らに「改めて長崎を最後の被爆地にしなくてはならないと強く思った」と語り、被爆者の高齢化に触れ、「もう時間がないということを私どもとして強く認識したい」とも述べていた。

 式典後に面会した長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(84)は「戦後80年の節目ということで、石破首相には期待していたが、核廃絶や被爆者らの救済ではまったく進展がなかった。『政治とカネ』や選挙に振り回され、何も実現できなかったのではないか」と厳しく批判した。「政府は唯一の戦争被爆国と枕詞(まくらことば)のように言うが、やっていることは核保有国と同じ。次の首相には核兵器禁止条約に加盟し、外交を通じて核兵器廃絶を訴えてほしい」と期待を込めた。

 県内には、国が線引きした被…

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