トランプ米大統領が1月の就任以降、ロシアや中国との間で核軍縮について協議することへの意欲を繰り返し見せている。ただ、米国で「核抑止力」はいまも重視されていて、トランプ氏の発言とは矛盾もある。真意はどこにあるのか。
「(ロシアの)プーチン大統領は、核を大幅に削減するというアイデアを本当に気に入っていた。中国も気に入っていた」
1月23日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会にオンラインで参加したトランプ氏は「非核化(denuclearization)」という言葉を用いながらこう主張した。
トランプ氏はその後も、2度にわたって中ロとの核軍縮協議に前向きな姿勢を見せた。
こうした発言は、第1次トランプ政権で米ロ間の核軍縮条約である新戦略兵器削減条約(新START)の延長をめぐって、中国も交えた軍縮の枠組みを作るよう求めた経緯を振り返ったとみられる。一方で、実際の交渉は難航し、条約の延長はバイデン政権に持ち越されていた。
「強いリーダー」と「米国第一」
2期目のトランプ氏の核兵器…