Smiley face
写真・図版
大阪地裁・高裁が入る庁舎=大阪市北区

 取り調べで容疑者に「検察なめんな」と暴言を吐いたなどとして、大阪地検特捜部(当時)の検事が特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判に付された事件で、大阪地裁は26日、検察官役を務める「指定弁護士」に2人を選任した。

 2人は大阪弁護士会の元刑事弁護委員長の山口昌之氏と京都アニメーション放火殺人事件で弁護人を務めた高山巌氏。

 付審判の決定を受けたのは田渕大輔検事(52)=現東京高検。土地売却に絡み学校法人から21億円を横領したとして不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の山岸忍さん(61)=無罪確定=らが逮捕・起訴された業務上横領事件で、同社の元部長=有罪確定=の取り調べを担当。録画された中で、机をたたき「反省しろよ、少しは」「ふざけんな」「検察なめんな」と怒鳴るなどした。

 山岸さんの告発を地検が不起訴としたため、山岸さんは公務員による職権乱用だとして、刑事裁判にかけるよう裁判所に直接求める付審判を請求。大阪高裁が8月に審判に付すと決め、裁判を開く地裁が大阪弁護士会に指定弁護士の推薦を依頼していた。

 付審判は「起訴」と同じ効力をもち今後、裁判は通常と同じように進む。ただ検察がいったん不起訴としている事件が前提のため、有罪立証を担う検察官役は、裁判所が弁護士の中から指定することが法律で定められている。(山本逸生、戸田和敬)

共有