7年間で3度の決壊をした名蓋川(中央)=2022年7月16日、宮城県大崎市、県提供

 同じ地域が繰り返し災害にあう例が増えている。多重被災は、人々の再建への歩みをくじき、地域の人口流出を加速させ、支援の仕組みや、災害への向き合い方そのものを変えることを迫る。

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 「次またやられたら、ここに住むまいと思った」。宮城県大崎市の団体職員、日野誠慈さん(65)は、水田に囲まれた自宅でそう語った。

 近くを流れる名蓋(なぶた)川は、ふだんは幅10メートルほどの小河川だ。以前は氾濫(はんらん)などしたことがなかったという。それが2015年9月の関東・東北豪雨、19年10月の台風19号、22年7月の大雨と、記録的な雨に襲われ、堤防が三たび決壊。日野さんの家はそのたびに、腰の高さまで泥水につかった。

家電3度買い替え、リフォーム費用4千万円 宮城・大崎

 畳を新しくしたかと思うと、また水浸しになる。家電も3度、買い替えた。リフォーム費用は合わせて約4千万円に膨れ、保険だけでは間に合わなかった。「毎回落ち込むが、復旧の作業や手続きには慣れてしまった」と苦笑する。

「ここまで水につかった」と指し示す日野誠慈さん=2025年7月26日、宮城県大崎市、石橋英昭撮影

 名蓋川を管理する県は、2度目の決壊後、堤防の補強工事にとりかかった。一部しか工事が終わっていない段階で、また決壊。「人災だ」と批判を浴び、堤防を造り直して約1メートルかさ上げする本格整備に切り替えた。予算62億円をつけて工事を急ぎ、来年度に完成予定だ。

 だが、名蓋川の調査にあたっ…

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