「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)が30日夜、シンガポールで開幕した。トランプ米政権に国際秩序が揺さぶられるなか、欧州の首脳として初の基調講演に臨んだフランスのマクロン大統領は「開かれたルールに基づく秩序のために新しい連合をつくろう」とアジア諸国に呼びかけた。
会議は今年で22回目。6月1日までの3日間にわたって、アジアのほか、欧米の国防・安全保障担当の閣僚らがアジア太平洋地域の核拡散問題や海洋安全保障などについて議論する。
フランスは仏領ポリネシアやニューカレドニアなどの海外領土を持つことから、自らをインド太平洋の国と位置づける。マクロン氏は講演で、対立を激化させる米中への向きあい方についていずれにも依存しない「戦略的自律」を重んじるフランスの立場を強調。「我々は協力したいが、一人の人間の決定で何が許され、許されないかを決められたくない」と訴えた。
さらに、米中のはざまに置かれた状況がアジアと欧州で共通していると指摘。「いずれかを選べば、世界の秩序を壊すことになる」と警鐘を鳴らした。「欧州とアジアが協力して自立のための連合、脅迫されないための連合を築くことを呼びかけたい」と訴えた。
会議の開幕前には、ヘグセス…