カンボジアの伝統舞踊劇「武器のない平和を」の一場面=CWB提供
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 31年前に国連ボランティアの中田厚仁さん(当時25)が殉職したカンボジアの現地から、彼の生涯を主題にした伝統舞踊の公演が来日する。演題は「武器のない平和を」。中田さんの名を冠して開校された学校の卒業生が、主演を務める。

 中田さんは1993年4月8日、内戦が続いていたカンボジア中部・コンポントム州で、国連平和維持活動の選挙監視員として活動中に銃撃を受け、殺害された。その地は彼を悼んで「アツ村」と名付けられ、日本からの寄付などで小学校と中学校が造られた。

 舞踊は、カンボジアの踊りと奏楽を織り交ぜたミュージカル形式の伝統劇で「ジーケー」と呼ばれる。非業の最期を遂げた中田さんに加え、息子の死を機に商社を辞め、遺志を継いで国連ボランティア活動に残りの生涯を捧げた父・武仁さん(2016年に78歳で死去)もモデルにした。

 内戦時に少年兵だった地元の…

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