佐賀県の山口祥義知事は6日、学校法人旭学園(佐賀市)が2026年開学を目指す「武雄アジア大学」を支援するため、武雄市を通じて約6億5千万円を補助する、と正式に発表した。県の一般会計補正予算案に債務負担行為として盛り込み、13日開会の定例県議会に提出する。
山口知事は会見で「県内の4年制大学は二つ(佐賀大と西九州大)だけで、島根県と並び全国最少で、毎年大学進学者の8割は県外に出る。県内の大学教育の充実につなげたい」と述べた。
県は県立大学新設も検討している。武雄アジア大学とあわせて新しい大学が二つ増えても県内の大学定員には余裕がある上、「(全国の)公立大はほとんど定員割れがない」と自信を見せた。
ただ、全国的には経営に苦しむ私立大学の存在も問題になっている。山口知事は「私立は厳しい状況。そこでしか学べない『光る大学』をつくらなければいけない。県は中身には関与していないが、武雄アジア大学に行きたいと思う方が増えるように応援していきたい」と語った。
補正予算案は総額34億円。県内での人材確保に重点を置き、離島の中学生が進学しやすくなるよう高校生寮に食堂を整備する事業に約500万円、人手不足に悩む県内の中小企業が女性や外国人向けに更衣室設置やトイレ改修など職場環境を整える費用を補助する事業に約1億1100万円を充てた。県議会の会期は7月3日までで、19~21日に一般質問の予定。(渕沢貴子)