オーストラリアのアルバニージー首相は15日、インドネシアの首都ジャカルタで、同国のプラボウォ大統領と会談した。第2次政権発足後初の外遊先にインドネシアを訪れた背景には、経済・安全保障の両面で中国の影響力が増すなか、地域の大国であるインドネシアとの協力関係を維持したい狙いがある。
3日にあった総選挙で、アルバニージー氏率いる与党・労働党は現時点で単独過半数の76議席を大きく上回る93議席を獲得しており、現地では「歴史的大勝」とも評されている。13日に第2次政権を発足させたばかりで、今回の外遊には引き続き外相に指名されたウォン氏らも同行した。
アルバニージー氏は会談後「インド太平洋の繁栄、安全保障、安定にとって、インドネシア以上に重要な国はない。より緊密な関係を構築していく」と述べた。
両国は2024年8月に二国間防衛協力協定の締結で合意するなど協力関係にある。一方で、全方位外交を掲げるインドネシアは昨年10月のプラボウォ政権誕生以降、中国やロシアなどが加わる新興国グループ「BRICS」に参加。ロシアとの軍事演習を行ったほか、経済や安保面での中国との結びつきを強めている。
プラボウォ氏は会談後、「世界経済が不安定な状況にある中、両国の関係はますます重要になる」と経済・貿易分野での協力推進を強調しつつ、24年に合意した防衛協力協定については「協力の改善と強化の可能性を引き続き協議する」と述べるにとどめた。
豪州にとって中国は安全保障…