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 「死」をテーマに、僧侶が1冊の本を書き、出版した。父や病気の兄との死別という経験から、自身の生き方と幸せを見つめ直した内容だ。僧侶は「残されている時間を意識し、最期に目を閉じる時、良い人生だったと思ってほしい」と本に込めた思いを語る。

 「人は死と生きていく」(幻冬舎)を出版したのは、徳雲寺(石川県七尾市)とその分院の金剛寺(東京都西東京市)で住職を務める石毛泰道さん(72)だ。

 石毛さんは10年前、5歳年上の兄が病気で余命宣告を受けた時、苦しんだ。これまでも僧侶として人の死に向き合ってきたが、このときは感情の整理がつかなかった。その5年前に父を亡くした時も、忙しさを理由に十分に一緒に過ごすことができず、「父に寂しい思いをさせてしまった」という反省があった。

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 後悔したくないと、兄と毎晩…

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