11月の米大統領選に向け、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領によるテレビ討論会が27日、米ジョージア州アトランタで開かれた。米国政治と非言語コミュニケーションの専門家2人は、討論会の結果をどう分析するのか。話を聞いた。
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成蹊大学の西山隆行教授(米国政治)
バイデン大統領は非常に弱々しく見え、民主党にとって悲劇的だった。高齢問題が指摘されていたバイデン氏は力強さをアピールしなければいけなかったが、かすれ声で目線もずれ、聞いている人の心に訴えかける感じがなかった。
トランプ前大統領は司会の質問に答えずに全く違うことを話し、虚偽の発言もした。だが、結果的に発言がテレビ番組などで短く切り取られても、言いたいことが伝わるかたちだった。討論会ではトランプ氏の方が明らかに勝ったように思う。
大荒れだった2020年の討論会をふまえ、今回は聴衆なし、自分の発言時以外はマイクを切る、というルールが導入された。トランプ氏に不利になると予想されたが、バイデン氏も目の前にいる人たちを喜ばせるのが得意な人。聴衆がおらず、共感や力強さといったバイデン氏らしさが伝わりづらかった。
さらに、司会者は淡々と質問…