日本の女子ラグビー界で「レジェンド」と呼ばれる存在がいる。クラブチーム「ナナイロプリズム福岡」(福岡県久留米市)の選手兼ゼネラルマネジャー(GM)の中村知春さん(36)。バスケットボールから「未開の地」だった競技に転向し、7人制の女子日本代表(愛称・サクラセブンズ)の柱として道を切り開いてきた。「やればやるほど面白い」。追究を続け、国内外での普及にも夢を抱く。
Changin’(14)
2025年は巳年。脱皮を繰り返し成長する蛇のように、「変化」しながら前に進む九州ゆかりの人たちに話を聞きました。
《2024年のパリ五輪では20代前半の選手が中心のサクラセブンズを牽引(けんいん)。9位で終えた後、13年に及ぶ代表の活動から距離を置いた》
メンバーが「本当に良い五輪だった」と言ってくれたんです。若い選手たちが、自分を誇りに思えない大会には絶対にしたくなかったので、私の目的は達成された、と思いました。
一方で、15人制や海外など色んな視点でラグビーを学びたくて。五輪後は、米国の10人制リーグに参加したり、ネパールの代表チームを指導したりしました。一息つく間もなかったですね。
《小学校から大学までバスケを続け、11年に広告会社に就職。その2年前、7人制ラグビーがリオ五輪(16年)から正式種目になると決まった》
内定から就職まで時間があり…