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参院予算委で、立憲民主党の田名部匡代氏の質問に対して意見を述べる全国がん患者団体連合会理事の轟浩美さん=2025年3月5日午前9時20分、岩下毅撮影
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 「治療をやめて、子どものランドセルや成人式の着物を用意して旅立つ方々がいる」

 医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直しをめぐり、全国がん患者団体連合会の轟浩美理事が5日、参院予算委員会に参考人として出席し、石破茂首相に訴えた。

 同連合会は3日間で3600人のがん患者らに緊急アンケートを実施。予算委では、轟理事はこのアンケートから、ステルス胃がんの20代の患者の声を読み上げた。「高額療養費制度を使っているが、支払いは苦しい。毎月さらに多くの医療費を支払うことはできない。子どもの将来のためにお金を少しでも残す方がいいのか、追い詰められている」

 このアンケート結果をまとめた冊子を受け取るかと問われ、首相は「日程調整する」として、団体側から直接受け取る意向を示した。一方、がん患者らが求めている制度見直しの全面凍結には応じない考えを改めて強調。「(医学の進歩などにより)ものすごいスピードで金額が増えている。制度の持続可能性の維持と、患者の思いをいかに両立させるかということから、制度の修正をした」と改めて理解を求めた。立憲民主党の田名部匡代氏の質問に答えた。

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