新潟県に水俣病認定を申請するための診断書。病名に「水俣病」とあり、医師による「行政認定の手続きをお願いします」という一言が添えられている(画像を一部加工しています)

 水俣病の救済策をめぐり、各地で起こされた「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」。その新潟訴訟の判決が18日、言い渡される。2013年12月の最初の提訴から10年4カ月。149人の原告のうち、この日に先行して判決が言い渡される47人の平均年齢は77.2歳。「生きているうちに解決を」――。判決に向けた原告の思いを紹介する。

 指先が驚くほど冷たい。「夏になっても冷たいままさ。これが50年以上続いているんだ」。阿賀町の男性(77)は言った。

 生まれ育ったのは町の山あい。近くには阿賀野川の支流・常浪(とこなみ)川が流れていた。小学校に上がる前に父が死去。遊び場だった清流は、母ときょうだい6人の日々の糧をまかなう場になった。

 夕方、友人と川に刺し網を張…

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