財政

 政府は13日、今年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定した。「減税政策より賃上げ」を掲げ、財政健全化に向けた新たな道筋も示した。参院選を前に減税を訴える野党と一線を画した形だが、与党側も現金給付を公約に打ち出すなど、理念は早くも「骨抜き」になりそうだ。

 骨太の方針は、翌年度の予算の方針や財政運営の基本的な方向性を示すもの。石破茂政権では初の策定となる。

 「デフレに後戻りせず、成長型経済への移行を確実なものとする」として、長く続いたデフレからインフレを前提にした社会への移行を想定。物価の伸びを1%上回る賃金上昇を定着させることにより、「賃上げを起点とした成長型経済」の実現を目指すとした。

 そのために、医療、介護、官公需など「官」が関わる分野で物価高を織り込み賃上げを促すほか、業種ごとにつくった生産性向上策や学び直しの推進で中小企業などの賃上げを実現し、最低賃金を「2020年代に全国平均1500円」に増やすことを目指す。

 また、「成長型経済の礎」だとして、震災復興や防災、国土強靱(きょうじん)化、安全保障環境の変化への対応策などを明記。石破首相が力を入れる地方創生やコメ価格引き下げのほか、新たに「女性用トイレの利用環境の改善」など、女性に関わる記述も首相の指示で書き込んだ。

経済財政諮問会議・新しい資本主義実現会議合同会議で発言する石破茂首相(手前)=2025年6月13日午後5時37分、首相官邸、岩下毅撮影

 財政健全化目標では、国と地…

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