少子高齢化やインターネット社会の深化がもたらす音楽・楽器業界の激変に、どう立ち向かっていくのか。電子楽器大手ローランドの新社長に昇格した蓑輪雅弘氏(51)は、就任記者会見で「つながる」をキーワードに、「演奏したいという欲求」にこたえ、AI(人工知能)時代にも対応していく考えを示した。
千葉県出身。情報工学を専攻した学生時代はインターネットの黎明(れいめい)期で、「世界中の人とつながる音楽やアートの可能性」を感じてローランドに入った。その思いは今でも変わらない。
自らが立ち上げのスタッフとして関わり、2017年にスタートした「ローランド・クラウド」への注力を続けるという。ネットを通じたソフトウェアなどの提供には「楽器人口」を伸ばす可能性もあるとみるからだ。
「不要不急」の名のもとに外出がたびたび制限されたコロナ禍で、楽器業界は「巣ごもり需要」を実感した。「楽器を演奏したいという欲求がこんなに大きかったんだと理解した」と振り返る。
だが、楽器を手にとっても…