防衛省=東京都新宿区

 防衛省は27日、川崎重工業の裏金問題をめぐる「中間報告」とは別に、安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の違法な取り扱いや、自衛官による潜水手当の不正受給についての調査結果も発表した。関連して計93人を処分したことも明らかにした。

 特定秘密をめぐっては、海上自衛隊の艦艇などでずさんな取り扱いがあったとして、今年7月に延べ115人を処分していた。さらに調査すると、背広組と呼ばれる内局の職員や、陸自、空自の隊員による不正な取り扱いも見つかったという。

 特定秘密保護法は、特定秘密を扱えるのは、適性評価を受けて認められた人のみと定めている。防衛装備庁や他省庁へ出向した職員らは、防衛省に戻る際、あらためて適性評価を受けなければならない。

 にもかかわらず、省に戻る際の適性評価を受けぬまま秘密を扱ったり、扱える職員に指名されたりするケースが計100件あったという。

 ほかに、特定秘密の文書データを誤って職場のパソコンの共有フォルダーに入れていた事例もあり、いずれも関係者の処分を検討しているという。

 これらとは別に、特定秘密の文書を適正な手続きを経ずに廃棄したケースと、特定秘密を含むブリーフィングを許可なく録音したケースで、陸自幹部2人と空自幹部2人を懲戒処分したことも明らかにした。

 不適切な特定秘密の取り扱いの再発防止策を検討する外部有識者による会議を来年1月に設置することも公表した。

 このほか、今年7月までに74人が処分された海自の潜水艦救難艦「ちはや」「ちよだ」の潜水士らによる潜水手当の不正受給をめぐって、新たに8人を免職と停職の処分にしたことも発表した。さらに、他の部隊も調べたところ、事務的なミスで潜水手当を多く払い過ぎるケースが複数見つかったといい、27日までに停職や戒告、訓戒など計78人を処分したことも明らかにした。

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