東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で、現実に想定される事故とはどんな規模なのか――。県による被曝(ひばく)線量シミュレーションをめぐり、県議会でそんな論点についての議論があった。万が一の事故をどうイメージするのかは、県民の再稼働の判断にも影響しうるだけに、やりとりは熱を帯びた。
17日の県議会連合委員会。牧田正樹県議(未来にいがた)は、県のシミュレーションでは放射性物質の放出量が「福島(第一原発)事故の1万分の1となっている」と指摘。「福島並み、あるいはそれ以上かもしれない大きな事故が絶対起きないという保証はない。不十分ではないか」と指摘した。
花角英世知事は、原子力規制委員会が今年9月に公表した、架空の原発をモデルにしたシミュレーションにならったと説明。「現実に想定される事態進展におけるシミュレーション条件を参考にした」と語った。
さらに、原子力規制委員会の山中伸介委員長が昨年11月の記者会見で「過度な放射線のリスクを考えた避難というのは、実効性のある防災計画であるとは言えない」とした発言を引用し、「私自身は結局、過度な想定というものはいたずらに不安をあおるだけであって、科学的、合理的な範囲内で考えていくべきだと理解している」と反論した。
規制委は架空の原発をモデル…