現金を落としたとうそをつき、警視庁遺失物センター(東京都文京区)に保管されている現金をだましとろうとしたとして、同庁は7日、千葉県松戸市のアルバイトの男(33)を詐欺未遂の疑いで逮捕し、発表した。男は当時、JR京葉線潮見駅の駅員で、「遊ぶ金ほしさにやった」と話しているという。
富坂署によると、男は4月22日、同センター窓口で「落とした現金が届いていると聞いて受け取りに来た」などとうそを言い、虚偽の遺失届け出書2枚を提出して計6万2千円を受け取ろうとした疑いがある。
だが、男の届け出書が同センターに登録されている情報と「あまりに一致」(同署)していることや、現金のみを落としたとする申告を複数回行っていた状況について、職員が不審に思った。また、JR東日本の駅員だったのに、当初は「東京メトロ職員」を名乗っていたという。
その後、男が社内システムでJR駅構内で拾得された遺失物の情報を検索していたことや、現金を落としたと申告した時間にその場所にいなかったことも判明した。
男はJR東日本のグループ会社「JR東日本ステーションサービス」の社員で、同社は男を懲戒解雇にしたという。JR東日本は、「社員指導を徹底し、グループ会社ともども再発防止に努めていく」とコメントした。