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 東京都内に暮らすきょうこさん(53)は、いまもみそ汁が嫌いだ。

 小学3年生の夏休み。母は当時つきあっていた男性から呼び出され、準備した夕飯に手をつけぬまま男性宅に向かった。仕方なく、きょうこさんもついていった。

 2日後に自宅に戻り、玄関を開けた瞬間。腐ったみそ汁の酸っぱいにおいが、ツーンと鼻をついた。あのにおいは、今も忘れられない。

 母は、きょうこさんのやりきれない思いを、気にするそぶりも見せなかった。だって自分は、「必要ない子」だったから。

 母にはたくさん傷つけられた。

 保育園のお迎えを忘れられ、夜9時過ぎまで1人で待っていた時の心細さ。

 「弟の面倒をみなかった」と殴られ、下着姿で玄関の外に出された理不尽さ。

 泣いて謝ると、「うるさい」とアパートの裏の物置に入れられた。

 タクシー運転手をしていた父はギャンブル好きで、あまり家に帰ってこなかった。母のイライラはいつも、きょうこさんにぶつけられた。親の暴言やネグレクトが「毒親」にあたると知ったのは、ほんの数年前だ。

偏差値63 将来は「通訳」を夢見たが…

 みそ汁の一件の後、両親は離…

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