支援者の前で「勝訴」の旗を掲げる原告の奥田恭正さん(右から2人目)=2024年8月30日午後3時18分、名古屋高裁前、溝脇正撮影

 無罪確定者のDNA型などのデータを特別の理由なく、治安維持を唱え、捜査機関が保管し続けることは許してはならない――。無罪が確定した男性が、国にDNA型データなどの抹消を求めた訴訟で、名古屋高裁は一審同様に抹消を命じ、法整備が遅れる国に立法を促した。原告らからは「画期的だ」と喜びの声があがった。(高橋俊成、伊藤智章、森下裕介)

  • 無罪確定者のDNA型保管、高裁も国に抹消命令 「立法化こそ必要」

 「勝訴」「DNAの抹消認める」

 名古屋高裁近くの会場で、こんな貼り紙を背に始まった判決後の集会。冒頭、原告の奥田恭正さん(67)が、逮捕以来の8年を振り返り、「初めての裁判で何が起こるか分からなかった。それが、今日のこの結果。うれしいです」と涙ぐんだ。

 原告弁護団の国田武二郎弁護…

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