語学の扉

 9月は欧米の多くの大学で新学期が始まり、この時期に海外留学を考える人も多そうです。でも、留学すれば本当に外国語がうまくなるのでしょうか。外国人力士の日本語習得法を研究した宮崎里司・早大大学院教授(言語教育政策)は、「現地の学校での勉強だけで安心せず、外国語漬けになれる環境を自分なりにつくるべきだ」と語ります。

 ――宮崎さんは大学で、海外からの留学生に日本語教育学を教えています。学生たちは皆、日本に来たことで、自然と日本語を話せるようになるものでしょうか。

 私の周りには中国からの留学生が多いです。母国が経済的に豊かになったことから、日本でアルバイトをせず、親の仕送りだけで生活している人もたくさんいます。

 バイトをしなくて済むのは、勉強時間の確保という意味では良いのですが、生活が自宅と大学の往復だけになりがちです。そうすると、地域の日本人と接触して日本語を上達させる機会はどうしても限られます。留学したからといって、必ずしも目標言語が流暢(りゅうちょう)になるとは限りません。

 ――大相撲の外国人力士は日…

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