みそを仕込む蔵に立つ早川薫さん=2024年12月2日午後3時32分、宮崎県都城市西町、中島健撮影

 宮崎県都城市にある創業約140年の老舗メーカー「早川しょうゆみそ」が、職人の常識を覆すほどの、香りがしっかり残る粉末みそを開発した。手がけたのは創業家7代目の専務早川薫さん(35)。伝統を守りながら、海外に販路を広げ、「Miso」の新しいカタチに挑む。

Changin’(7)

2025年は巳年。脱皮を繰り返し成長する蛇のように、「変化」しながら前に進む九州ゆかりの人たちに話を聞きました。

 《粉末みそ開発のきっかけは2011年の東日本大震災だった》

 みその流通の弱点に気づいたんです。被災地から支援依頼があったが、みそは重く、菓子パンとかの方がいいとか、みそは炊き出しのイメージで、人手が足りない現場で求められないとの声も。そもそも「みそ汁以外に何に使うの」とも言われました。

 解決方法をずっと考えていたところ、15年、旅行先の沖縄で知り合った映画監督から「カレーのように粉にしちゃえばいいじゃん」と言われました。当時は「夢物語」でしたが、「軽くなるし、使い道も広がる」と思って、走り出しました。

 《水分を飛ばす発想はフリー…

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