北海道遠軽町白滝で15日、名産のじゃがいもを使った料理のコンテスト「じゃがリンピック」が開かれた。毎年開かれ、今年で20回目。背景にあるのは「白滝の名を残したい」という地元農家の願いだ。
旧白滝村は2005年、周辺の3町村と合併し、遠軽町となった。「白滝」の名を残そうと、農家の女性(現じゃがリンズ)が中心となり、「白滝じゃが」をブランド化。06年からじゃがリンピックを開催するようになった。
今年は、祖母のレシピを応用したいももちや、スウェーデン料理のアレンジなど過去最多の17品が出品された。書類審査を勝ち抜いた中には、愛知県からの参加者もいた。
審査基準は①おいしさ②手軽さ③作ってみたいと思うかの3項目に加え、「じゃがいもの良さが生きているか」。5段階評価で10人の審査員が点数をつける。
今回金賞に輝いたのは、アメリカからUターンしてきた、白滝出身の岡田もも子さんの「ポテトディップス」。焼いたチーズポテトにサワークリーム風のディップをかけた。
カナダ出身の夫とアメリカ育ちの娘のために考え出したという。岡田さんは「新しい味がみなさんの食卓に増えたらいいな」と話す。
遠軽町役場の白滝支所長である長原裕一さんは20年、毎年出品し続けている。
じゃがリンピックにかける思いは人一倍強い。レシピを思いつく度に書きためてきたノートは3冊分になった。毎年1~3品出し、今回でじゃがリンピックだけで41品目だという。
長原さんは言う。「白滝じゃがは地域の宝。じゃがリンピックが続く限り、応援し続ける」
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20周年を記念して、21日午後7時から、TEAM NACSのリーダー、森崎博之さんが「生きることは食べること」と題して遠軽町岩見通南1丁目のメトロプラザ大ホールで講演する。
森崎さんは、2020年にホクレンアンバサダーに就任。北海道農業の魅力を全国各地で講演している。6年前の第14回じゃがリンピックの際に取材で、白滝を訪れていた。
申し込み不要・入場無料。問い合わせはJAえんゆう白滝支所(0158・48・2311)まで。