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 3月下旬から公開されている米ディズニーの実写版映画「白雪姫」が物議をかもしている。人種やジェンダーなどの多様性に配慮した配役や、設定を変えたあらすじが一因とされるが、そこには「文化戦争」とも言われるほど激しい分断が進む米国の現状も反映されているようだ。

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実写版映画「白雪姫」のワンシーン。ディズニー提供=AP

 「白雪姫」の原作はグリム童話で、1937年にディズニーがアニメ映画化。女王にだまされて毒リンゴを食べた白雪姫が王子様のキスで目覚めるという世界中で親しまれてきたストーリーだが、実写版に批判的な声が上がっている。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、愛されてきた名作のリメイクが「あらゆる文化的地雷を踏む」などと指摘。興行収入も振るわず、公開後最初の週末は米国とカナダで計4300万ドル(65億円)にとどまり、「予想を下回った」という。

 理由の一つとして挙がるのが、作品内での多様性を重視するリベラルな価値観に対する反発だ。

 白雪姫役の俳優レイチェル・ゼグラーさんはコロンビア出身の母を持つラテン系。原作では白雪姫の由来は「雪のように白い」こととされ、白い肌を連想させる表現だと一般的に解釈されているが、実写版では吹雪の日に生まれたことが由来になっている。ストーリーもアニメと異なり、白雪姫が積極的な行動をとるなど自立した女性として描かれる場面が多い。

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映画館にある実写版映画「白雪姫」の看板=2025年3月29日、サンフランシスコ、市野塊撮影

多様性重視からの揺り戻し、中東問題も

 ディズニーではこれまでも過去のアニメの実写版制作にあたり、白人中心の起用を見直したり、あらすじを現代風にアレンジしたりしてきた。白雪姫の実写版もこうした流れで2022年に撮影が始まった。

 しかし、DEI(多様性、公…

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