大相撲で歴代最多となる45度の優勝を果たした元横綱白鵬の白鵬翔さんが、日本相撲協会からの退職を決意したのは、自分の部屋で弟子を育てられない状態が長引いたことが大きく影響した。
東京都内で開いた9日の会見で、「(部屋の再開が)いつになるのか見いだせず、(預かりが)また延びる、ということが大きい」と話した。
昨年5~12月に白鵬さんの代理人を務め、協会との間に立った秋田一恵弁護士は、協会が白鵬さんに科した「部屋の預かり措置」に対して疑問を投げかけている。
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白鵬さんは昨年2月、弟子の暴力事案の責任を問われ、2階級降格と報酬減額という重い処分を受けました。協会は「現役時代に3回の処分を受けている」ことを厳罰の理由にしていますが、法的に疑問が残ります。
というのも、優勝インタビューで三本締めをしたなどの過去の行いについては譴責(けんせき)や減給、親方として協会に残る際も誓約書提出など、やはり処分と考えられることがなされているからです。すでに処分が済んだ事案を持ち出して、罰を重くすることはできないはずです。
例えば、過去に交通違反をしていたことが、その後に犯した窃盗の罰を重くする理由にはなりません。同じ違反を繰り返した場合は、より重い処分が科される可能性はありますが、土俵上での振る舞いと、弟子の監督責任とは違うものです。
相撲界の習わしを守るなどといった誓約は、協会の賞罰規程などに加え、白鵬さんに対する特別なルールを設けるようなものでした。特定の個人だけに処分を科せるような誓約書にサインさせること自体が、そもそも法的に問題があります。
白鵬さんは、自分の部屋で横綱や大関などを育てることが夢で、私にもそう語っていました。
会社組織であればできない手続き
が、処分とともに、自分が師…