@ハーグ(オランダ)
北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が開かれたオランダ・ハーグにマウリッツハイス美術館がある。世界で最も有名な絵画の一つ、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が所蔵されており、6月下旬の会議閉幕の翌日に訪れると、日本人観光客らが「少女」と見つめ合っていた。
- フェルメール「真珠の耳飾りの少女」 よみがえった360年前の姿
訪問のもう一つの目的が「戦時下のミュージアム」をテーマにした特別展だ。第2次大戦中のドイツによる占領時、美術館周辺にナチスの機関が多数置かれ、作品をいかに戦火から守るかが大きな課題となった。
ハーグが空爆された1940年5月時点で、貴重な作品は美術館の金庫に隠されていた。「少女」は41、42年、別の都市に2度も「避難」を経験した。2度目の避難時は当時の館長が自ら付き添ったという。45年5月にドイツが降伏。ハーグは解放され、「少女」は同年秋までに戻ってきた。
マウリッツハイスは2014…