(24日、第156回九州地区高校野球大会決勝 神村学園5―1西日本短大付)
「1点、もぎ取る」。0―4の五回2死三塁、西日本短大付の4番打者・佐藤仁選手(3年)は、そう自分を奮い立たせて打席に立った。チェンジアップを狙い通りにうまくとらえ、左前適時打。この日チーム唯一の打点を挙げた。
身長180センチ、体重93キロの巨漢で力強い打撃が売りだ。一方で、常に大きなかけ声を出してチームを盛り上げるムードメーカーでもある。この日もピンチのたび、ベンチから「矢印を上に」と声を上げ続けた。「うまくいかなかったときこそ、気持ちを上に」との意味が込められた、チームの合言葉だ。
優勝にはあと一歩届かなかったが、仲間たちと最後まで諦めることなく笑顔で戦い抜くことができたことを前向きにとらえている。「今回の九州大会での経験を、夏の大会につなげたい」