討幕運動に奔走し、明治政府で活躍した長州藩出身の官僚政治家、広沢真臣(1834~71)の評伝が20日に出版された。木戸孝允と双璧をなす藩の大物だったが、今では地方行政などでの業績もあまり認知されず、知名度は低い。本格的な伝記の発刊は大正時代以来、約100年ぶりという。

 タイトルは「広沢真臣の生涯―知られざる明治維新の巨人―」(春風文庫)。真臣の名は「まさおみ」「さねおみ」と読まれていたが、広沢家で呼ばれてきた「まおみ」とした。著者は萩博物館特別学芸員の一坂太郎さん(57)。かねて広沢に興味を持って史料を集め、周南市のマツノ書店が「広沢真臣日記」を2001年に復刻した際に監修を担った。

 20年に広沢の玄孫の白仁昇さん(61)=那覇市=と知り合い、子孫らの勉強会に講師として呼ばれ交流してきた。評伝の費用は白仁さんが出した。

 広沢は萩で生まれ、実家は藩…

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