解説の日向藍子が「これ神回だなぁ……。なかなか漫画でもないストーリーが描かれてますよ」とつぶやいた。
3月26日夜。日向は大学生らが2人のチーム戦で日本一を競う麻雀(マージャン)大会「第28回青雀旗争奪学生麻雀選手権」(学生麻雀連盟主催、朝日新聞社後援)の決勝最終戦を見つめていた。オーラスだけで、3万4400点差をひっくり返す逆転劇が起こっていた。
序盤から見事な打ち回しを見せたのは早稲田大・鈴木駿平。トップ目で南1局に親番を迎えると跳満をアガり、他の選手を突き放す。それでも手を緩めず、南3局にさらに満貫をアガって突き抜けた。
最後の親番は、2着目の北海道大・岸田佑亮。アガり続けて鈴木を追い越せば逆転優勝だが、差は3万点以上あった。
「厳しいとは思っていたけど、オーラスになって急に手が入ってくれた」と岸田。前へ進むだけだと気持ちは楽だった。
7マンと7ソーのシャンポン待ちで勢いよくリーチをかけると、一発で7ソーをツモって満貫に仕上げる。
その後も、鈴木に隙を与えずにアガって、アガって、アガる。2回の満貫を含む4連続アガリで、一気に逆転を果たした。モニターを見ていた岸田のチームメートの中根由喜は「すごすぎる」と思わず笑った。
鈴木に1万1600点差をつ…