違法性が疑われるサプリメントを購入したとして福岡県警の捜査対象となったサントリーホールディングスの新浪剛史会長(66)が1日付で辞任した。同社の鳥井信宏社長らは2日に東京都内で緊急記者会見を開き、経緯を説明した。
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主な一問一答は以下の通り。
――新浪氏は経済同友会の代表幹事など外部の団体でも肩書もあるが、今後どうなるのか。
鳥井社長 当社が答える立場ではない。
――サントリーの経営全体への影響についてはどのようにお考えか。
鳥井社長 消費者の皆様からのご指摘や業績への影響もあると思っている。全社一丸となって信頼回復に取り組む。
――後任選びにはなるべく早く着手するということか。
鳥井社長 昨日までは代表取締役会長が佐治信忠と新浪剛史という2人体制だったので、当面は佐治信忠1人と考えている。
――サプリメントは違法かどうかはまだわからない。それでも辞めるという判断をしたということは、かなりグレーに近い問題があることは間違いないという認識か。
鳥井社長 警察が捜査中で、回答は控える。
――今回のような判断に至ったのは、疑われた時点で重大なコンプライアンスに違反するという認識なのか、現時点で捜査を受けたこと自体を非常に重く見たということか。
「疑義が生じること自体、資質を欠く」
山田賢治副社長 捜査は警察の方で結論を出すべきものであり、白だから何もなし、有罪になったから辞めていただくという観点で考えたわけではない。サントリーの代表取締役会長としてそのような疑義が生じるということ自体、求められる資質を欠くということを指摘をせざるを得ないことから決意した。
――プレスリリースにはサプリメントは当社グループ商品ではないとある。なぜ今回の会見でサプリメント名を公表しないのか。
山田副社長 新浪からサプリメントについての情報はあったが、捜査の最中なので、控えさせて頂きたい。万が一、間違って弊社の製品のサプリメントと思われる方もいらっしゃるということを憂慮して、そうではないという旨を書き添えさせていただいた。
――新浪氏が自らの口で説明をしない理由は。
鳥井社長 新浪氏は既に代表取締役会長を辞任しているため、私が会社を代表して説明をしている。
山田副社長 新浪氏からのコメントは、「一身上の都合により役職を辞任したいとの申し出を受理していただいた。会長の仕事を続けることができなくなったことは残念に思っている」。
――株主、消費者、社員に対しての説明は今後どのように、いつ行うか。
鳥井社長 株主、社のステークホルダーの皆様には私が先頭に立って事情を説明させていただき、一日でも早い信頼回復に努めたい。社内に対しては、本日の午後3時半に私から発信させていただく。
――こういう形での辞任になったことについてはどのような考えか。
「二人三脚でやろうと言ったのに」
鳥井社長 私自身も新浪氏とずっと一緒に仕事をやってきたし、ここにいらっしゃる皆様の中には、新浪氏と2人で会見をしたことを覚えてらっしゃる方もいると思う。二人三脚でやろうと言ったのに大変残念。
――佐治会長のコメントは。
山田副社長 「誠に残念である。その一言に尽きる」
――これまで貢献があったから解任でなく辞任を受理したということか。
新浪氏は「大胆で、決断力、実行力のある経営者」
鳥井社長 捜査結果を待って…