バネッサ・ルブルさん(50)は2017年1月、米大統領選で初当選したトランプ氏の就任翌日に首都ワシントンで抗議の声を上げていた。
女性を蔑視する発言や、女性からのわいせつ被害の訴え――。トランプ氏を「許せない」という思いを抱えて自らが主催者の一人となった「女性大行進」だった。当時、フェイスブックで女性たちの怒りの声が広がり、約50万人が集まったといわれる。その数は、キング牧師らが人種差別の撤廃を訴えた「ワシントン大行進」を超えた。
あれから8年。運動に限界を感じ、いまは徒労感だけが残る。
「私たちはあまりに長く戦い、疲れてしまった。私たちが失敗しているのは明らかだ」
16年の大統領選は民主党のヒラリー・クリントン氏が敗北したものの、全米の総得票数ではトランプ氏を280万票以上、上回っていた。だが昨年の大統領選では、トランプ氏が総得票数でもハリス副大統領に勝利した。
もうデモをしない理由
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「いま、デモ行進をすること…