連載コラム「紐育一灯」 ニューヨーク支局長・青山直篤
このコラムは…
戦後の国際秩序が崩れ、新たな世界史が動き出しています。我々はどこへ行くのか。手元の小さな明かりを頼りに、遠くを見据え、日本や世界の地平を探りたい――。そんな思いで、米国からの報告をお届けします。
ある米国人について書く。米マサチューセッツ州のタフツ大学フレッチャー法律外交大学院の教授だったジョン・C・ペリー(1930~2025)。私は06~08年、この大学院で先生に学んでいた。
国際関係論を本格的に学びたいと共同通信社を退職し、私費で留学した私は、暮らしと勉強に必死だった。大学院の奨学金を維持・拡充してもらう必要があり、主な教授陣には顔を覚えてもらうため、毎週のオフィスアワーに研究室を訪ねるようにしていた。
先生の「海洋史」の講義には…