ユーカリの樹の下で
この夏「名門復活」をめざし、コンクールに挑む吹奏楽部を追います。
閉めきった音楽室は、冷房が入っていてもなお、むっとした熱気を感じさせた。5月27日の合奏練習には、いつもと違う緊張感があった。
兵庫高校の吹奏楽部には、卒業生が入れ代わり立ち代わりやってくる。プロの世界で活躍する演奏家たちで、後輩にアドバイスをするためだ。
この日の曲は、7月27日の吹奏楽コンクール神戸地区大会で演奏する自由曲「指輪物語」。この大曲で県大会、そして2016年以来となる関西大会進出をたぐり寄せたい。
音楽室にファンタジーの世界に引き込むようなファンファーレが響く。物語の登場人物を印象づける旋律を引き継ぎ、荘重なコラールに向かった。
休憩時間にも、すかさず
聴き終えたサックス奏者の卒業生が、矢継ぎ早に言う。
「ホルンの音の処理の仕方…