入隊までの経緯を話すエジプト出身のロシア兵カイール=2025年7月31日、ウクライナ西部の捕虜収容所、杉山正撮影

 ウクライナに侵攻するロシア軍に入れば、国籍がもらえる。そんなロシアの制度が移民たちをひきつけている。そうした外国人からなる「移民兵」の総数は明らかになっていないが、昨年だけで3300人以上が国籍を得たとされる。

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 「ロシアのパスポートを得るために血の代償を払った」

 カイールとニックネームを名乗った26歳のエジプト出身の男性は、ウクライナ西部のロシア兵捕虜収容所でこう話した。流暢(りゅうちょう)なロシア語だった。

 4年前、留学中に出会った年上のロシア人女性と結婚した。ロシア西部ボルゴグラードのレストランで働きながら、妻とその連れ子2人と暮らしていた。だが、ある日、平穏な暮らしが一転する出来事が起きた。

 ロシアの滞在ビザの延長がで…

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