将棋の森内俊之九段(54)が20日、東京・将棋会館で指された対局に勝ち、史上11人目となる公式戦通算1千勝(636敗)を達成した。森内九段は「長い間プロ棋士として対局させて頂いた積み重ねの大きな数字で、周りの方の支えにお礼を述べたい」と語った。
森内九段は1987年に16歳でプロ入り。20代ではタイトルに届かず、初タイトルの名人獲得時は31歳だったが、2004~07年に名人を4連覇し、羽生善治九段(54)より先に永世称号「十八世名人」の資格を得た。名人8期、竜王2期などタイトル獲得数は通算12期を数える。緻密(ちみつ)な読みに裏打ちされた重厚な棋風で知られる。
今後の目標について森内九段は「将棋に打ち込んでいくことに関しては若いころと変わらない気持ちがあります」とし、「藤井聡太さん(名人・竜王)を始めとして若い棋士の台頭がめざましいので、少しでも近づいていって大きい舞台で対局できるよう精進したいと思います」とタイトル挑戦に意欲を見せた。
森内九段は46歳だった17年、連続22期在位したA級(名人在位を含む)から降級し、順位戦を指さないフリークラスに転出した。
これまでに1千勝を達成した棋士は以下の通り。
大山康晴十五世名人▽加藤一二三九段▽中原誠十六世名人▽米長邦雄永世棋聖▽内藤國雄九段▽有吉道夫九段▽谷川浩司十七世名人▽羽生善治九段▽佐藤康光九段▽丸山忠久九段