Smiley face
2024年6月9日、ネタニヤフ政権からの離脱を発表するガンツ前国防相=AP
  • 写真・図版

 パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルのガンツ前国防相は9日、ガザでの戦闘方針を決める戦時内閣から離脱すると発表した。野党党首で、米国からの信頼が厚い穏健派とされるガンツ氏が離脱することでネタニヤフ政権内で極右政党の存在感が強まり、国際社会での孤立がさらに深まるとの見方がある。

  • イスラエルを「子どもの人権侵害国」認定へ 国連報告書、大使猛反発

 9日に会見を開いたガンツ氏は離脱の理由について、「ネタニヤフ氏は私たちを真の勝利への前進から妨げている」と説明したうえで、人質解放を優先するべきだと自らの立場を強調した。

 さらに米国のバイデン大統領が発表したイスラム組織ハマスとの恒久的な停戦への道筋を含めたイスラエル側の提案を「支持する」と述べ、恒久的な停戦に後ろ向きとされるネタニヤフ氏に「自らの政治的な延命を優先すべきではない」と述べた。政権維持のため、ハマスとの交渉を認めない与党内の極右勢力に「配慮」するネタニヤフ氏を批判したかたちだ。

国際関係重視、米国と深い関係

 ガンツ氏はイスラエルの安全…

共有