刑罰から懲役と禁錮をなくし、新設の「拘禁刑」に一本化する改正刑法が1日施行された。刑罰の種類が変わるのは、刑法が1907(明治40)年に制定されて以来初めてで、「懲らしめ」から「立ち直り」へ軸足を移す。受刑者を特性などに応じて24の矯正処遇課程に分け、きめ細かな処遇で更生を後押しする。
- 【そもそも解説】罪を犯した人への罰とは? 拘禁刑で何が変わるのか
拘禁刑は1日以降に起きた事件や事故に適用される。裁判で拘禁刑を言い渡され、有罪が確定した受刑者が入所するのは、今秋以降とみられる。ただ、現在の入所者も24課程に振り分けられ、新たな処遇のメニューも受けるという。
大きな狙いは再犯の防止にある。刑法犯は減少傾向にあるが、検挙者に占める再犯者の割合は、5割近くで高止まりしている。新規受刑者に占める「再入者」率も5割台後半で推移する。
矯正統計年報によると、2023年に刑務所に入所した受刑者は約1万4千人。このうち高齢者の占める割合が、過去最高の14.3%となるなど、画一的な処遇に限界も生じていた。
24の矯正処遇課程を新設
新設される24課程は、高齢福祉▽福祉的支援(知的・発達障害)▽同(精神障害)▽依存症回復など。障害などの特性がない受刑者も、年齢や刑期の長さに加え、再犯リスクと更生への意欲で分類し、個々に合った処遇をめざす。
これらの課程とは別に、農業やものづくりなどの特別コースも設け、円滑な社会復帰を促す。
改正前の刑法は、懲役につい…