ベトナム戦争は米国社会にどのような影響を与え、現在はどう認識されているのか。長年にわたって、このテーマに取り組んできた米マサチューセッツ大アマースト校のクリスティアン・アッピー教授に聞いた。
- なぜ、ベトナムは米国に勝てたのか 識者が振り返る半世紀前の戦争
――著作で、「米国の中核的な信条がベトナム戦争によって破壊された」と書かれています。
「米国がベトナムへの関与を始めたのは、自国の例外主義への信頼が最も高い時期でした。米国が資源の豊かさや軍事力の面で優れているだけでなく、善のための勢力だと国民が信じ、そのことを背景に政府への広範囲な信頼もありました。しかし、ベトナム戦争をめぐって政府のウソや欺瞞(ぎまん)が明らかになるなか、この信頼は壊れました」
今日にもつながる「矮小化された反戦」
「米国民は次第にベトナム戦…