米国は、なぜ日本との防衛産業協力に期待をするのか。今後、どのような課題があるのか。米軍統合参謀本部で兵站(へいたん)計画を担う高官だったレオナルド・コシンスキー氏は、「状況は日々悪化している」と言います。どういうことなのでしょうか。

 ――現在の米国の防衛産業の課題をどうみますか。

 もし戦争が起きれば、防衛産業基盤と、経済力が勝敗を分けます。ですが米国は、戦争を支えることができる「戦時態勢」ではありません。

 米国では過去30~40年の間に、防衛産業の基盤が縮小され、生産能力が不足しています。その結果、中国といった脅威に対処する能力が大きく低下しました。

 新型コロナウイルスの感染が広がるなかで供給網(サプライチェーン)の脆弱(ぜいじゃく)さが問題になり、ロシアのウクライナ侵攻でも、米国の武器不足という問題が露呈しました。

 日本や韓国は設備に投資し、工場も近代化していますが、米国の弾薬工場や造船所は老朽化が進んでいます。

戦争をしない中国、でも……

 一方、中国は戦争はしていま…

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